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ガイド・米国向け食品表示

米国向け栄養成分表示(Nutrition Facts)の要件と作り方

米国で販売する包装食品には、原則として「Nutrition Facts」と呼ばれる栄養成分表示が必要です。このページでは、FDAの規則(21 CFR 101.9など)に基づいて、表示の対象、作り方の手順、書式、英語表示とアレルゲン、免除の条件を、参照しやすい形にまとめています。

FDA公式情報の最終確認日:2026年10月25日

執筆:山田慎太郎(株式会社日本山岳倶楽部 代表)

Nutrition Factsとは:対象と基本のルール

Nutrition Factsは、米国の食品ラベルに載せる栄養成分の表です。FDAの規則では、人が食べるために販売される食品には、免除に当たる場合を除いて栄養成分表示が必要で、包装された食品では、決められた書式でラベルに表示します(21 CFR 101.9(a))。

日本から輸出する食品も、米国で販売される以上、同じ規則の対象です。米国では1食分(Serving size)あたりで表示し、その1食分の量もFDAの基準量から決めます。表示する項目、数値の丸め方、書式も日本とは異なります。日本の表示を英語に置き換えるだけでは、米国の表示にはなりません。

FDAは、個別の食品ラベルを販売前に承認していません。規則に合った表示を作り、その根拠を説明できるようにしておくのは、表示する事業者の責任です。

なお、表示とは別に、食品を製造・加工・包装・保管する施設には、FDAへの食品施設登録が必要になる場合があります。

FDA食品施設登録の更新ガイド(2026年)を読む

作り方の手順(全体像)

Nutrition Factsは、おおむね次の順で作ります。免除に当たりそうな製品は、手順7を先に確認すると、作業を省けることがあります。

乳児・1〜3歳児向けの食品、ダイエタリーサプリメント(21 CFR 101.36の「Supplement Facts」で表示)、栄養成分の強調表示や健康強調表示をする食品には、このページで扱わない追加のルールがあります。

  • 手順1:RACCを調べる(21 CFR 101.12の表から、製品に当てはまる品目と基準量を探す)
  • 手順2:1食分(Serving size)と、1容器あたりの食数を決める
  • 手順3:表示する項目と、その値をそろえる
  • 手順4:値を丸め、%DV(1日の基準量に対する割合)を計算する
  • 手順5:書式とレイアウトを決める
  • 手順6:英語表示とアレルゲン表示を確認する
  • 手順7:免除に当たるかを確認する

手順1・2:RACCを調べ、1食分(Serving size)を決める

1食分の量は、自由には決められません。21 CFR 101.12(b)の表にある「RACC」(Reference Amount Customarily Consumed:1回に通常食べられる量の基準)をもとに、決められた手順で導きます(21 CFR 101.9(b)(2))。RACCは4歳以上の人を基準にした量で、乳児・幼児向けの食品には別の表があります(101.12(a)、(b))。

1個ずつ数えられる製品(クッキー、個包装の菓子など)は、1個の重さがRACCの何%にあたるかで、1食分を何個にするかが決まります(101.9(b)(2)(i))。ケーキやピザのように切り分けて食べる製品はRACCに最も近い分数(1/8など)、シリアルや粉末のように数えられない製品はRACCに最も近い家庭用の計量単位で表します(101.9(b)(2)(ii)、(iii))。

1包装ずつ売る製品で、中身がRACCの200%未満なら、その包装全体を1食分として表示します(101.9(b)(6))。200%以上300%以下なら、原則として「1食分あたり」と「1包装あたり」の2列で表示します(101.9(b)(12)(i)。小さな包装などの例外があります)。

表の中に、ぴったり当てはまる品目が見つからない製品もあります。その場合は、近い品目を選んだ理由を記録しておき、必要に応じて輸入者や専門家に確認してください。

  • 書き方:家庭用の計量単位(cup、tbsp、piece など)に続けて、かっこ内にグラム(液体はミリリットル)を書きます(101.9(b)(7))
  • 表示に使う換算:小さじ(tsp)5mL、大さじ(tbsp)15mL、1カップ 240mL、1 fl oz 30mL、1 oz 28g(101.9(b)(5)(viii))
  • 1容器あたりの食数:原則として整数に丸め、2〜5食分の間は0.5食分刻みにして「about」を付けます(101.9(b)(8)(i))
  • 値は原則として、販売されている状態(as packaged)で示します(101.9(b)(9))

手順3:表示する項目と値をそろえる

表示する栄養成分の名前と順番は、21 CFR 101.9(c)で決まっています。そこに挙げられていない成分は、栄養成分表の中に書けません。

栄養を補う目的でビタミンやミネラルを加えた場合や、その成分について表示で触れる場合は、その成分も表示します(101.9(c)(8)(ii))。一方、飽和脂肪酸・トランス脂肪酸・コレステロール・食物繊維・糖類・添加糖類は、量がごく少なく強調表示もしない場合に行を省き、表の下に「Not a significant source of ~」と書けることがあります(101.9(c)(2)〜(c)(6))。

成分の定義も、米国の規則に従います。たとえば総脂質は脂肪酸の量をトリグリセリドに換算した値(101.9(c)(2))、食物繊維は規則の定義に当たるものだけ(101.9(c)(6)(i))です。

値の求め方(成分分析、データベース、配合からの計算など)について、FDAは個々の会社に特定の方法を指定しないとしています(FDAの栄養表示データベースのガイダンス)。一方で、FDAは適合性を確かめるとき、ロットから12個を集めた試料を分析します(101.9(g)(2))。熱量・糖類・総脂質・飽和脂肪酸・トランス脂肪酸・コレステロール・ナトリウムは、実際の値が表示値の120%を超えると不正表示とみなされます。たんぱく質・炭水化物・食物繊維など食品にもともと含まれる成分は表示値の80%以上、添加したビタミン・ミネラルなどは表示値以上が必要です(101.9(g)(4)、(5))。

天然の糖と添加した糖が混ざっている食品の添加糖類など、一部の成分では、製造者が表示値の根拠となる記録を作って2年以上保管し、FDAの求めに応じて示す義務があります(101.9(g)(10)、(11))。日本の表示に使った四捨五入後の数値や推定値をそのまま使わず、もとの分析値や計算の資料までさかのぼって確認してください。

4歳以上の一般向け食品で表示する主な項目と順番は、次のとおりです(101.9(c))。

  • 熱量:Calories
  • 脂質:Total Fat(その下に飽和脂肪酸 Saturated Fat、トランス脂肪酸 Trans Fat)
  • コレステロール:Cholesterol
  • ナトリウム:Sodium(日本の「食塩相当量」ではなく、ナトリウムのmgで表示)
  • 炭水化物:Total Carbohydrate(その下に食物繊維 Dietary Fiber、糖類 Total Sugars、添加糖類 Added Sugars)
  • たんぱく質:Protein
  • ビタミンD・カルシウム・鉄・カリウム:Vitamin D、Calcium、Iron、Potassium(量と%DVの両方を表示)

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手順4:丸めと%DV(1日の基準量に対する割合)

表示する数値は、成分ごとに決められた刻みで丸めます(101.9(c))。熱量は丸める前の成分量から計算し(101.9(c)(1)(i))、%DVは表示値と丸める前の値のどちらから計算してもよいとされています(101.9(d)(7)(ii))。丸める前の値も、記録として残しておいてください。

%DVは、1食分に含まれる量を、FDAが定めた1日の基準量(DRV・RDI)で割った割合です。脂質やナトリウムなどは整数の%で示します(101.9(d)(7)(ii))。4歳以上の一般向けの主な基準量は、総脂質78g、飽和脂肪酸20g、コレステロール300mg、ナトリウム2,300mg、炭水化物275g、食物繊維28g、添加糖類50g、たんぱく質50g、ビタミンD 20mcg、カルシウム1,300mg、鉄18mg、カリウム4,700mgです(101.9(c)(7)(iii)、(c)(8)(iv)、(c)(9))。トランス脂肪酸と糖類(Total Sugars)には基準量がなく、%DVは表示しません。

たんぱく質の%DVだけは計算が異なります。丸める前のたんぱく質量に、たんぱく質の質を表すPDCAAS(たんぱく質消化率補正アミノ酸スコア。1.00を超える場合は1.00)を掛けた「補正後の量」から計算します(101.9(c)(7)(ii))。たんぱく質の強調表示をしない一般向け食品では、たんぱく質の%DVは任意です。ただし、4歳以上向けの食品でPDCAASが0.20未満の場合は、「not a significant source of protein」と書くか、補正後の%DVを示す必要があります(101.9(c)(7)、(c)(7)(i))。

主な丸め方は、次のとおりです(101.9(c))。

  • 熱量:5kcal未満は0、50kcalまでは5kcal刻み、50kcalを超えると10kcal刻み((c)(1))
  • 総脂質・飽和脂肪酸・トランス脂肪酸:0.5g未満は0、5g未満は0.5g刻み、5g以上は1g刻み((c)(2))
  • コレステロール:5mg刻み。2mg未満は0と表示でき、2〜5mgは「less than 5mg」と表示できます((c)(3))
  • ナトリウム:5mg未満は0、5〜140mgは5mg刻み、140mgを超えると10mg刻み((c)(4))
  • 炭水化物・食物繊維・糖類・添加糖類・たんぱく質:1g刻み。1g未満は「less than 1g」、0.5g未満は0と表示できます((c)(6)、(c)(7))
  • ビタミン・ミネラルの%DV:10%までは2%刻み、50%までは5%刻み、50%を超えると10%刻み。基準量の2%未満なら、0と書く、注記を付ける、行を省いて「Not a significant source of ~」と書く、のいずれかにできます((c)(8)(iii))

手順5:書式とレイアウト

書式は21 CFR 101.9(d)で細かく決まっています。FDAは、表示をそろえるために、101部の付録B(Appendix B)の図示仕様に沿うことを強く推奨しています(101.9(d)(1))。標準の縦型の表示で、主な決まりは下のとおりです。

縦に十分な高さ(おおむね3インチ)が取れない場合は、横長の表形式(tabular display)が使えます(101.9(d)(11)(iii))。表示に使える面積が40平方インチ以下の包装では、表形式や1行に並べる形式(linear display)、決められた略語の使用、どの面にも表示できる扱いなどが認められています(101.9(j)(13)(ii))。

表を置く場所は、原則として主要表示面(PDP)か、その右隣の情報表示面(information panel)です(101.9(i)、101.2)。表示に使える面積が40平方インチを超えていても、この2つの面に収まらない場合は、消費者が容易に見られる別の面を使えます(101.9(j)(17))。

  • 表は細い罫線(hairline)で囲み、黒または1色で、白など背景と見分けやすい地色に印刷します((d)(1)(i))
  • 読みやすい1種類の書体を使い、大文字と小文字を併用し、文字どうしが接しないようにします((d)(1)(ii))
  • 見出し「Nutrition Facts」は、熱量の数値を除いて表の中で最も大きな文字にし、原則として表の幅いっぱいに置きます((d)(2))
  • 見出しの直後に「servings per container」と「Serving size」を置きます。どちらも原則10ポイント以上で、Serving sizeは太字にします((d)(3))
  • 「Calories」は太字で16ポイント以上、熱量の数値は太字で22ポイント以上にします((d)(1)(iii))
  • 栄養成分の行は8ポイント以上です((d)(1)(iii))。添加糖類は、糖類の下に「Includes Xg Added Sugars」の形で字下げして書きます((c)(6)(iii))
  • 表の最後に、脚注「*The % Daily Value tells you how much a nutrient in a serving of food contributes to a daily diet. 2,000 calories a day is used for general nutrition advice.」を入れます((d)(9)。熱量がごく少ない食品などは省略できます)

手順6:英語表示とアレルゲン表示

ラベルに必要な表示は、すべて英語で書きます(21 CFR 101.15(c)(1))。ラベルに日本語などの外国語の表示がある場合は、必要な表示をすべてその外国語でも書かなければなりません(101.15(c)(2))。栄養成分表を2言語にするときは、言語ごとに表を分けるか、1つの表で英語のあとに第2言語を続けます(101.9(d)(14))。日本語のパッケージに英語のシールを貼る方法を考えている場合は、この点を最初に確認してください。

アレルゲンは、連邦食品医薬品化粧品法(FD&C法)403(w)条で表示の方法が決まっています。主要食品アレルゲンを含む食品は、原材料名のあとのかっこ書き(例:whey (milk))か、原材料表示の直後または隣に置く「Contains」の表示で、由来する食品の名前を示します。「Contains」の文字は、原材料表示より小さくできません。

木の実は種類(例:almonds)、魚と甲殻類は種(例:cod、shrimp)まで書きます(403(w)(2))。香料・着色料や、加工助剤などの微量の添加物に含まれるアレルゲンも対象です(403(w)(4))。原材料そのものは、重量の多い順に、一般的な名称で書きます(21 CFR 101.4(a)(1))。

主要食品アレルゲンは、次の9品目です(FD&C法201(qq)条)。ごまは2023年1月1日から加わりました(FDA「Food Allergies」)。品目も書き方も日本の制度とは異なるため、日本の表示から移すときは1品目ずつ確認してください。

  • 乳(milk)
  • 卵(egg)
  • 魚(fish)
  • 甲殻類(Crustacean shellfish)
  • 木の実(tree nuts)
  • 小麦(wheat)
  • 落花生(peanuts)
  • 大豆(soybeans)
  • ごま(sesame)

手順7:免除に当たるかを確認する

21 CFR 101.9(j)には、栄養成分表示が免除される食品や、特別な扱いになる食品が挙げられています。日本の事業者に関係しやすいものは下のとおりです。

多くの免除は、ラベル・ラベリング・広告に栄養成分の強調表示や栄養に関する情報を載せないことが条件です。載せると、その免除は使えません。

低販売量の免除((j)(18))について、FDAの案内ページには、海外の事業者の扱いが書かれていません。届出を誰が出すか、関連会社をどう数えるかは、輸入者と相談したうえで判断してください。

  • (j)(4) 栄養成分がごく少量の食品:すべての必須項目が0(炭水化物・食物繊維・たんぱく質は「less than 1g」)と表示できる量しか含まない食品。規則は例として、コーヒー豆、茶葉、無糖のインスタントコーヒー・茶、薬味用の乾燥野菜、香料エキス、着色料を挙げています
  • (j)(9) 業務用にバルクで出荷する食品:消費者向けではなく、ほかの食品の製造にだけ使う食品や、別の場所で加工・表示・再包装される食品
  • (j)(13) 小さな包装:表示に使える面積の合計が12平方インチ未満の包装。消費者が栄養情報を問い合わせられる住所または電話番号を、ラベルに書くことが条件です
  • (j)(18) 低販売量の製品:直前12か月の従業員数(フルタイム換算。国内外の関連会社を含む)が平均100人未満で、その製品の米国での販売数が12か月で10万個未満の場合。原則として、免除を受ける期間が始まる前にFDAへの届出が必要です(輸入者ではなく、従業員10人未満で、その製品の年間販売数が1万個未満なら届出は不要)

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よくある質問

日本の栄養成分表示を英語に訳せば、米国でも使えますか?

使えません。米国では、RACCから決めた1食分あたりで表示し、項目・順番・丸め方・書式も21 CFR 101.9で決まっています。日本の値は出発点にはなりますが、米国の規則に沿って数値と表を作り直す必要があります。

FDAにラベルを確認・承認してもらえますか?

FDAは、個別の食品ラベルを販売前に承認していません。規則に合った表示にすること、表示値の根拠を示せるようにしておくことは、表示する事業者の責任です。

栄養成分の分析は必ず必要ですか?

FDAは、表示値の求め方(分析、データベース、計算など)を個々の会社に指定しないとしています。ただし、FDAは製品を分析して表示値と比べ、たとえばナトリウムや総脂質が表示値の120%を超えると不正表示とみなします(21 CFR 101.9(g))。計算で求める場合も、根拠の資料を残してください。

日本語の表示を残したまま、英語の表示を追加できますか?

できます。ただし、ラベルに外国語の表示がある場合は、必要な表示をすべてその外国語でも書く必要があります(21 CFR 101.15(c)(2))。栄養成分表も、2言語を1つの表にまとめるか、言語ごとに表を分けます(101.9(d)(14))。

少量しか輸出しない場合も、表示は必要ですか?

低販売量の免除(21 CFR 101.9(j)(18))の条件に当たれば、免除を受けられる場合があります。従業員数(国内外の関連会社を含むフルタイム換算)が平均100人未満で、その製品の米国での販売数が12か月で10万個未満であることなどが条件で、原則としてFDAへの届出が必要です。FDAは、2026年10月5日からオンラインの届出をFDA Industry Systems(FIS)で受け付けると案内しています。栄養成分の強調表示をすると使えません。海外の事業者の扱いはFDAのページに書かれていないため、輸入者と相談してください。

業務用の原料として出荷する場合も、表示が必要ですか?

消費者向けではなく、ほかの食品の製造にだけ使う食品や、別の場所で加工・表示・再包装される食品をバルクで出荷する場合は、免除に当たります(21 CFR 101.9(j)(9))。米国で小売用に包装し直して販売する場合は、その包装が101.9の対象になるかを改めて確認してください。

1包装に2食分以上入っている場合、表示はどう変わりますか?

1包装ずつ売る製品で、中身がRACCの200%未満なら、包装全体を1食分として表示します(21 CFR 101.9(b)(6))。200%以上300%以下なら、「1食分あたり」と「1包装あたり」の2列で表示するのが原則です(101.9(b)(12)(i))。300%を超える製品には、この2列表示の義務はなく、1食分あたりの値と1容器あたりの食数を表示します。

FDA・連邦規則の一次情報(出典)

このページは、PORTA(運営:株式会社日本山岳倶楽部)が、FDAの公式情報と米国の連邦規則に基づいて作成した一般的な情報で、法的助言ではありません。当社はFDA(米国食品医薬品局)とは関係のない民間企業で、FDAと提携関係にもありません。要件は変更される場合がありますので、最新の要件はFDAにてご確認ください。

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